WordPressのいいところは、専門の会社に頼まなくても、自分で更新できることです。
WordPressとは、ブログのように文章や写真を書き換えられるホームページの仕組みです。日本のホームページ(.jp で終わるもの)のうち、何で作られているかが分かるサイトの約8割がWordPressです。管理画面(文字や写真を書き換える画面)に入れば、社内の誰でもお知らせを足したり、写真を替えたりできます。更新のお知らせが出たら、ボタンを押せば新しい版になります。
だからこそ、こう聞かれることが増えました。
実は、2025年に見つかったWordPressの弱点のうち、91%はWordPressの本体ではなく、あとから足した部品(プラグイン)でした。
しかも、そのうち半分近くは、見つかったと発表された時点で、直した版がまだ出ていませんでした。更新ボタンを押すだけでは、守れない穴があるということです。
点検したWordPressのサイトでも、3年以上前の版のまま、そのあと出た10回以上の修正が入っていないものがありました。ご自分で更新しているつもりでも、本体だけ、部品だけ、と抜けが出ることはよくあります。
もちろん、自分で保守をしてはいけない、という話ではありません。どこまでが自分でできて、どこからが自分では確かめられないのか。その線を書きます。
御社のWordPressのサイトに、外から見て危ないところがないかを、URLを送っていただくだけで無料で点検します。ログイン情報はいただきません。
無料点検を申し込む →1. ホームページの保守とは
ホームページの保守とは、公開したあとのサイトを、止めず、壊さず、乗っ取られないように見続ける仕事のことです。お知らせや写真を書き換える「更新作業」とは別のものです。
| 中身の更新作業 | 保守 | |
|---|---|---|
| 何をするか | お客さんに見せる中身を変える | サイトを動かしている部品や契約を、新しく、切れないように保つ |
| たとえば | 新商品のお知らせを足す、スタッフの写真を替える、営業時間を直す | 部品を新しい版に入れ替える、入れ替える前に控えを取る、ドメインや証明書の期限を延ばす |
| やらないと | 情報が古くなる | ある日表示されなくなる、乗っ取られて書き換えられる、問い合わせで預かったお客さんの名前や連絡先が盗まれる、会社のメールが届かなくなる |
家にたとえると、更新作業は部屋の模様替え、保守は鍵の交換や契約の更新です。模様替えをしなくても家は困りませんが、鍵や契約を放っておくと住めなくなります。
2. WordPressの保守でやることと、頻度
WordPressのサイトで、作ったあとに要ることを並べます。上ほど、抜けると困ることが大きいものです。頻度は、当社がおすすめしている目安です。
| やること | 何をするか | おすすめの頻度 | つまずきやすいところ |
|---|---|---|---|
| 🧱プラグインとテーマの更新要注意 | プラグイン(あとから足す部品)とテーマ(見た目を決める部品)を新しい版にする | 月1回。大きな弱点が発表されたときは、その日のうちに | 弱点の9割以上はここにあります。直した版が出ない部品は更新では守れず、外すか替えるかを決める必要があります |
| 🗄️バックアップ(控え)を取る要注意 | サイトのファイルと、記事や問い合わせを保存している場所(データベース)の控えを取っておく | 更新の前に毎回。ほかに月1回以上 | 取ったつもりで、写真だけ、データベースだけ、になっていることがあります。戻せるかを一度試していない控えは、いざというとき使えません |
| 🧱WordPress本体の更新注意 | WordPressそのものを新しい版にする | 小さな更新は自動で入る設定のままに。大きな版は、出てから1〜2週間様子を見て | 大きな版は、プラグインとの相性で表示が崩れることがあります |
| 🧱PHPの版を上げる注意 | WordPressを裏で動かしているプログラムの言葉(PHP)を、新しい版に切り替える | 年1回の確認。修正の提供が終わる前に | 版を上げると、古いプラグインが動かなくなることがあります。先に対応を調べる必要があります |
| 🔑ログインの入口を守る注意 | 管理画面に入るパスワードを強くし、入口を誰でも開けないようにする | 最初に1回。担当が替わったときと、辞めた人が出たとき | WordPressは、URLの後ろに決まった文字を足すだけで、ログイン画面が開きます。パスワードを何万回も試されることがあります |
| 🏠ドメインと証明書の期限注意 | サイトの住所(ドメイン)と、暗号化の通行証(証明書)が切れないようにする | 月1回、期限を確かめる | 契約先を誰が知っているか、自動更新になっているかが分からなくなっていることが多いです。切れるとサイトもメールも止まります |
| 📮更新したあとの動作確認参考 | 主なページの表示と、問い合わせフォームの送信を確かめる | 更新のたびに毎回 | 見た目は直っていても、フォームの送信だけが止まっていることがあります。実際に1通送ってみるまで分かりません |
押すだけで終わるものは、1つもありません。どの作業にも、押す前の控えと、押したあとの確認が付いてきます。
3. いちばん多い困りごとは「更新したら壊れた」
自分で保守をするとき、いちばん怖いのは弱点よりも、更新ボタンを押したとたんにサイトが壊れることです。
部品どうしの相性や、PHPの版との相性で、更新したとたんに表示が崩れたり、画面が真っ白になって何も出なくなったりすることがあります。管理画面にも入れなくなると、ボタンで元に戻すこともできません。
- 社内で少しパソコンに詳しい人が、ホームページの担当になる
- 忙しくて、更新のお知らせがたまっていく
- 時間ができた日に、まとめて更新ボタンを押す
- 画面が真っ白になる。管理画面にも入れない
- 控えを取っていない。取っていても、戻し方が分からない
- 作った制作会社とは何年も連絡を取っておらず、すぐに頼める先がない
こうなると、直るまでのあいだ、サイトも問い合わせフォームも止まったままです。担当の人が悪いのではなく、壊れたときに戻す準備がないまま押していることが問題です。だから保守では、押す前に控えを取り、戻し方を決め、押したあとに動きを確かめるところまでを1つの作業にしています。
4. 数字で見る、WordPressの弱点
WordPressの弱点を集めて調べている海外の会社が、2025年の1年分をまとめています。
1年で見つかった弱点は11,334件で、そのうちWordPressの本体にあったのは6件だけでした。本体だけ新しくしていても、守りの穴の大半は部品の側に残ります。
もう1つ、気になる数字があります。弱点が見つかってから、実際に悪用が始まるまでの時間は、おおよそ真ん中の値で5時間でした。出典は記事の最後に置いています。
5. 「更新ボタンを押すだけ」で済まない3つの理由
| 理由 | どういうことか |
|---|---|
| 🧩① 直した版が出ない部品がある | 弱点の半分近くは、発表の時点で直した版がありませんでした。この場合、更新のお知らせは出ません。お知らせが出ていない=安全、ではありません。外すか、別の部品に替えるかを決める必要があります |
| 🧱② 更新でサイトが壊れることがある | 3章のとおりです。押す前の控えと戻し方の準備がないと、壊れたときに止まったままになります |
| 🧱③ 穴があっても、画面はふつうに動く | 弱点のある部品が入ったままでも、画面はいつもどおりに表示されます。管理画面を毎日見ていても、それだけでは気づけません |
PHPの版について詳しくは、PHPとは?わかりやすく言うと「自動販売機の中の機械」に書きました。
6. 自分でやってもいいサイト、頼んだほうがいいサイト
自分でやれるかどうかは、作った人のうでより、サイトに何が付いているかで決まります。
プラグインが少なく、入力欄もない形です。控えと更新、期限の確認を決まった日にやれば、自分で回せることが多いです。ただし、会社案内だけのページでも、更新で表示が崩れたり真っ白になったりすることはあります。
フォームも、あとから足したプラグインで動いています。更新のたびに、送信できるかまで確かめる必要があります。
人の情報やお金を扱います。直した版が出ない部品を見つけたときの判断が、そのまま事故の大きさにつながります。作りを読める人に任せたほうがいいところです。
御社のサイトがどれに当たるか分からない場合も、URLだけで大丈夫です。外から見て危ないところがないかを無料で点検し、結果を専門の言葉を使わずにお送りします。
無料点検を申し込む →7. 外から確かめられること、確かめられないこと
WordPressの版が外に出ているか、ログイン画面が誰でも開けるか、http で開いたときに暗号化されるか、ドメインと証明書の期限、なりすましメールの対策。こうした項目は、URLだけで外から確かめられます。無料点検で見ているのはこの範囲です。
一方で、どのプラグインが入っていて、そのうちどれに直した版の出ない弱点があるか、控えから本当に戻せるかは、管理画面に入って1つずつ見ていく作業になります。外から見る点検の範囲には入らないため、ご相談いただいたうえで、拝見してからお見積りしています。
「自分で更新しているけれど、抜けがないか不安」という方は、まず外から見える範囲を確かめて、そのうえで中も見るかどうかを決めていただくのが近道です。
8. 続けられる形にしておく
自分で保守をするときにいちばん多いのは、担当の人が忙しくなって、更新が止まることです。WordPressのサイトは、手が止まった日から古くなり始めます。
自分でやるなら、2章の表の頻度で日を決めて順に回し、誰がいつやったかを残しておくと続きます。担当が替わっても、表と記録があれば引き継げます。
まずはURLを送ってください。外から見える範囲を無料で点検し、結果をお送りします。社内で回せそうなら、それで終わりです。
控えと更新、期限の管理、部品の弱点の見張りを毎月まとめて任せたい場合は、保守の内容をご覧ください。作業の前に控えを取り、作業のあとに動きを確かめ、何をしたかを毎月の報告書でお知らせします。
9. よくある質問
- WordPressの保守は、必ず業者に頼まないといけませんか?
- そんなことはありません。会社案内だけのサイトなら、決まった日に控えと更新と期限の確認をすれば、自分で回せることも多いです。むずかしくなるのは、フォームや会員、決済が付いているサイトと、担当の人が忙しくて手が止まったときです。
- 更新のお知らせが出ていなければ、安全ですか?
- そうとは限りません。弱点が見つかっても直した版が出ない部品には、更新のお知らせは出ません。どの部品に弱点が出ているかは、外の情報と突き合わせて確かめる必要があります。
- 更新したら画面が真っ白になりました。どうすればいいですか?
- まず、それ以上ボタンを押さずに、更新の前に取った控えがあるかを確かめてください。控えがあれば、そこから戻せます。控えがない場合や、戻し方が分からない場合は、お問い合わせください。
- WordPressのサイトも、無料点検をお願いできますか?
- お受けしています。公開されているページを外から確かめる点検なので、URLだけで足ります。ログインを試したり、弱いところを実際に突いたりすることもありません。
出典
- Patchstack「State of WordPress Security in 2026」(2025年に見つかったWordPressまわりの弱点11,334件、プラグイン91%・テーマ9%・本体6件、発表時点で直した版が出ていなかった割合46%、悪用が始まるまでの時間の真ん中の値5時間。2026年2月25日更新)
https://www.patchstack.com/whitepaper/state-of-wordpress-security-in-2026/ - W3Techs「Usage statistics of WordPress」「Distribution of content management systems among websites that use .jp」(.jp のサイトのうち、作りの仕組みが分かっているものの78.8%がWordPress。2026年10月30日時点)
https://w3techs.com/technologies/segmentation/tld-jp-/content_management