AIやノーコードのおかげで、ホームページは本当に気軽に持てるようになりました。
ノーコードとは、プログラムを書かずに、画面の上で部品を並べてサイトを作れるサービスのことです。AIなら、作りたいサイトを言葉で説明するだけで、デザインも文章も出てきます。専門の知識がなくても、制作会社に頼んだようなカッコいいサイトが、早ければその日のうちにできあがります。数年前には考えられなかったことで、本当にすごいです。
そしてPHPの弱点のニュースが出てからは、こんなことも聞かれるようになりました。
実は、AIで作られて公開されたサイトを海外で約13万件調べたところ、約5つに1つが、お金のかかるサービスの「鍵」を、誰でも見られる場所に置いたまま公開していました。
見た目はきれいなのに、戸締りは誰もしていない。AIで作ったサイトには、こういうことがよく起きます。
AIやノーコードで作ること自体が悪いわけではありません。どちらも、見た目を作るのはとても得意です。ただ、守りのほうは、できているかどうかが画面を見ても分かりません。AIに「守りもちゃんとして」と頼んでも、何をどこまでやったのかを確かめられるのは、作りを読める人だけです。ノーコードは守りの多くをサービス会社が引き受けてくれますが、会社の側でしかできない管理は残ります。
AIやノーコードで作ったサイトも、作り直しを考えているサイトも、URLを送っていただくだけで、外から見える範囲を無料で点検します。ログイン情報はいただかずに行います。
無料点検を申し込む →1. AIで作るホームページは「モデルルーム」
言葉で頼むだけでAIにサイトを作らせるやり方は、「バイブコーディング」とも呼ばれています。AIはデザインも文章も、裏で動くプログラムまで書いてくれます。
できあがるものは、マンションのモデルルームに似ています。モデルルームは、見に来た人に「住みたい」と思わせるための部屋です。内装も家具も完璧ですが、住む人のための鍵の管理や、郵便受けの鍵、管理人の見回りは付いていません。
AIが作るのも、まずはこの「見せるための部屋」です。困るのは、戸締りが付いているかどうかが、部屋の外から眺めても分からないことです。AIは「できました」と返してくれますが、鍵がかかっているかは、扉を1つずつ確かめないと分かりません。
PHPの件で作り直しを考えている場合は、先にPHPの脆弱性、うちのサイトは関係ある?で、今のサイトがそもそも対象かを確かめてから決めても遅くありません。
2. 見た目の裏で抜けやすいもの
AIで作ったサイトで起きやすいことを、困ることが大きい順に並べます。どれも、画面を見ているだけでは気づけないものです。
| 抜けやすいもの | 何が困るのか | どうして気づけないのか |
|---|---|---|
| 🔑お金のかかるサービスの鍵が、ページに置いたまま要注意 | AIのチャットや地図、メールの送信などの外のサービスは、「鍵(APIキー)」を使って呼び出します。料金は、この鍵の持ち主に請求されます。ページの中に置いたままだと、他人が鍵をコピーして使い、請求だけが御社に来ます | 動くものを早く見せるために、AIが鍵をページの中に直接書き込むことがあります。画面はふつうに動くので、ページの中身を読める人でないと気づけません |
| 🗄️問い合わせや会員の情報の保存先が、誰でも読める要注意 | フォームに入力された名前や電話番号を保存する場所(データベース)が、外から誰でも読み書きできる状態で公開されることがあります | 保存先には「誰が読んでいいか」の決まりを付ける必要があります。決まりが正しく付いているかは、画面を触っても分かりません |
| 📮問い合わせフォームが、迷惑メールの踏み台になる注意 | 機械が何千回でも送信できるフォームは、迷惑メールの送り元に使われます。御社のアドレスが迷惑メールの差出人あつかいになり、本物のメールまで届きにくくなります | 送り主が人か機械かを見分ける仕組みが入っているかは、ふつうに送信してみても分かりません。迷惑メールは外へ出ていくので、自分の受信箱を見ていても気づけません |
| 🧱部品が古いまま止まる注意 | AIは、外から借りてきた部品を組み合わせてサイトを作ります。部品に弱点が見つかっても、入れ替える人がいなければ古いまま残ります | AIが知っているのは、作ったその日までの版です。公開したあとに部品を見張る仕組みは、サイトの中にはありません |
| 🏠ドメインやサーバーが、作った社員の個人名義注意 | 社員が自分のアカウントでAIのツールやサーバーを契約していると、その人が辞めたとき、誰もサイトの中に入れなくなります | AIのツールは、メールアドレス1つで個人が始められます。会社の名義に移す手順は、誰も教えてくれません |
| ✉️なりすましメールの対策が無い参考 | 会社のアドレスを名乗った偽の請求書を、取引先に届けられる状態のままになります | これはホームページではなく、ドメインの設定です。AIにサイトを頼んでも、ここまでは触りません |
どれも、見た目は完璧なまま起きます。だから、作った人も頼んだ人も気づきません。なりすましメールの対策については、ホームページは、URLだけでここまで分かるで詳しく書きました。
3. 数字で見る、AIが書くプログラム
海外では、AIが書くプログラムの守りについて、大きな調査がいくつも出ています。
2つ目の「入力欄から悪いプログラムを仕込まれる穴」は、問い合わせ欄や検索欄に書き込まれた悪いプログラムが、ほかのお客さんの画面で動いてしまう穴のことです。
1つ目と2つ目は、100を超えるAIに同じ80個の作業を頼んで調べたもの(2025年7月)、3つ目は、AIで作って公開された約13万のサイトを外から調べたもの(2025年9月)です。出典は記事の最後に置いています。
4. 「新しいAIなら大丈夫」ではない理由
1つ目の調査では、新しいAIや大きなAIほど守りが良くなる、ということはありませんでした。プログラムとして正しく動く割合は年々上がっているのに、守りの穴が入る割合は下がっていません。
理由は、守りの穴が「動かしても見えない」ところにあるからです。AIが書いたプログラムは、ちゃんと動きます。穴が入っていても、ちゃんと動きます。
「守りもちゃんとして」とAIに頼むことはできますし、AIは「対策しました」と返してくれます。けれど、本当にできているか、何が抜けているかを確かめるには、できあがったプログラムを読める知識が要ります。知識がないまま作ると、ルックスは完璧でも、戸締りは誰も確かめていないサイトができあがります。
5. AIで作っても困らないサイト、困るサイト
危なさは、AIで作ったかどうかより、サイトに何を付けたかで変わります。
文章と写真だけで、入力欄も保存もないサイトです。狙われる場所が少なく、AIで作っても大きな事故は起きにくいです。ドメインや証明書の期限と、名義の管理は要ります。
入力された内容をどこに送り、どこに残すか。機械からの送信をどう止めるか。ここから守りが要ります。
人の情報やお金、お金のかかるサービスの鍵を扱います。知識なしで作って公開すると、いちばん事故が起きやすいところです。
御社のサイトがどれに当てはまるか分からない場合も、URLを送っていただければ大丈夫です。AIやノーコードで作ったサイトでも、制作会社が作ったサイトでも、外から見える範囲を無料で点検します。
無料点検を申し込む →6. ノーコードで作ったサイトは、どこが違う?
ノーコードのサービスでは、サーバーの管理や部品の更新、暗号化の証明書を、サービス会社がまとめて面倒を見てくれます。AIが書いたプログラムをそのまま公開するのに比べると、戸締りの多くは最初から付いています。
それでも、会社の側でしかできないことが残ります。
| 会社の側に残るもの | 何が困るのか |
|---|---|
| 🏠アカウントの名義要注意 | 作った社員の個人アカウントのままだと、その人が辞めたとき、誰もサイトを直せなくなります |
| 💳支払いと契約要注意 | 登録したカードの期限が切れて支払いが止まると、ある日サイトが表示されなくなることがあります |
| 🔗独自ドメインのつなぎ方注意 | 点検では、会社のドメインを https で開くと警告が出て、サービスの無料のアドレスに移るだけの形がありました。名刺のアドレスから来たお客さんが、最初に警告の画面を見ることになります |
| 🧩あとから貼り付けた部品注意 | 予約やチャット、アクセス解析など、外のサービスから貼り付けた部品は、ノーコードのサービス会社の守りの外にあります |
| ✉️なりすましメールの対策参考 | ドメインの設定なので、どのサービスでサイトを作っても、会社の側でやる仕事です |
ノーコードで作ったサイトは、技術の戸締りより、名義と契約と期限の管理で困ることが多いと考えておくと分かりやすいです。
7. 外から確かめられること、確かめられないこと
ドメインと証明書の期限、http で開いたときに暗号化されるか、なりすましメールの対策、何で作られているか、管理画面の入口が誰でも開けるか。こうした項目は、URLだけで外から確かめられます。無料点検で見ているのはこの範囲です。
一方で、ページの中に鍵が書き込まれていないか、保存先にどんな決まりが付いているかは、作りを開いて1つずつ読んでいく作業になります。外から見る点検の範囲には入らないため、ご相談いただいたうえで、作りを拝見してからお見積りしています。
「AIで作ったけれど、中がどうなっているのか自分でも分からなくて不安」という方こそ、まず外から見える範囲を確かめて、そのうえで中も見るかどうかを決めていただくのが近道です。
8. AIやノーコードで作ったサイトこそ、作ったあとが要る
AIやノーコードで作ったサイトは、制作会社が作ったサイトよりも「作りっぱなし」になりやすいです。作ったのは社内の誰かで、どこで何を契約したかは、その人の頭の中にしかありません。その人が忙しくなったり辞めたりすると、サイトの中に入れる人がいなくなります。
しかも、ドメインと証明書の期限、部品の更新、外のサービスの鍵の作り直しは、AIで作ったサイトにも、ふつうのサイトと同じようにやって来ます。AIが面倒を見てくれるのは公開の日まで、ノーコードのサービス会社が見てくれるのはサービスの中までです。その翌日からの見回りは、誰かがやる必要があります。
まずはURLを送ってください。外から見える範囲を無料で点検し、結果を素人の言葉でお送りします。社内で直せそうなら、それで終わりです。
鍵の置き場所や保存先の決まりなど、作りを開いて確かめる必要があるものは、拝見してからお見積りします。直したあとは、期限切れや古い部品が出ていないかを毎月確かめる保守もご用意しています。
9. よくある質問
- AIで作ったサイトは、全部作り直したほうがいいですか?
- 作り直す前に、いま何が付いているかを見るのが先です。会社案内だけのページなら、直す場所が少ないことも多いです。フォームや会員の機能が付いている場合も、その部分だけを見直せば足りることがあります。
- 制作会社が作ったサイトなら安心ですか?
- 作り方より、作ったあとに誰が見ているかで差が出ます。制作会社が作ったサイトでも、契約が切れて何年も更新されていないものは少なくありません。
- AIやノーコードで作ったサイトも、無料点検をお願いできますか?
- お受けしています。作り方に関係なく、公開されているページを外から確かめる点検なので、URLだけで足ります。ログインを試したり、弱いところを実際に突いたりすることもありません。
- ページの中に鍵が置かれていないかだけ、確かめてほしいです。
- 鍵の置き場所は、作りを開いて1つずつ確かめる作業になるため、無料点検とは別にお見積りしています。先に無料点検で外から見える範囲を確かめておくと、ご相談がスムーズです。
出典
- Veracode「2025 GenAI Code Security Report」(AIが書いたプログラムの守りの穴の割合、入力欄から悪いプログラムを仕込まれる穴を防げなかった割合、新しいAIでも守りが良くならなかったこと。2025年7月30日)
https://www.veracode.com/press-release/ai-generated-code-poses-major-security-risks-in-nearly-half-of-all-development-tasks-veracode-research-reveals/ - RedHunt Labs「Project Resonance Wave 15」(AIで作って公開された約13万のサイトのうち、約5つに1つで鍵が誰でも見られる場所にあったこと。2025年9月23日)
https://redhuntlabs.com/blog/echoes-of-ai-exposure-thousands-of-secrets-leaking-through-vibe-coded-sites-wave-15-project-resonance/